2019-01-01から1年間の記事一覧
1 序 債権者と債務者が1:1ではなく、その一方が複数になる場合、当然のことながら法律関係は複雑になる。民法は「多数当事者の債権及び債務」としてこれを規律するが(改正前民法第3編第1章第3節)、債権者又は債務者が複数になる場合としてどのような類…
今回は、「詐害行為取消権」に関する改正内容を説明します。 1 詐害行為取消権とは 詐害行為取消権とは、債務者が債権の責任財産の不足することを知りつつ財産減少行為をした場合に、その行為の効力を否認して債務者の責任財産の保全を図ることを目的とする…
今回は、「債権者代位権」に関する改正内容を説明します。 1 債権者代位権とは 債権者代位権とは、債務者が一般財産を保全する行為をしないときに、債権者が債務者に代わって当該行為をする権利です。現行法423条は、債権者代位権について以下のように規定し…
今回は、「契約の解除」、「危険負担」、「受領遅滞」に関する改正について説明します。第1 契約の解除についての改正 契約の解除については、①契約の解除の要件、②原状回復義務の範囲及び③解除権の消滅について改正が行われました。1 契約の解除の要件の…
今回は、「債権の目的」「法定利率」に関する改正の中から、不能による選択債権の特定について定めた410条と、法定利率の改正に関し、404条、419条1項及び417条の2についてご説明します。 1 不能による選択債権の特定(410条) 第410条(不能による選択債権…
今回は、「法律行為の無効及び取消し」に関する改正の中から、法律行為が無効とされた場合における給付の返還義務の範囲について定めた改正民法121条の2についてご説明します。1 条文 第121条の2(原状回復の義務) 1 無効な行為に基づく債務の履行として…
祝田法律事務所所属の弁護士が、2020年4月1日施行の改正民法に関する実務上の注意点、ポイントを順次、解説していきます。 今回は、「代理」に関する改正の中から、代理権の濫用について定めた107条についてご説明します。1 条文 第107条 (代理権の濫用) …